アオキの失恋の日

1982年10月某日

その日はぼくは新大阪でバイトだった、泊りのバイト、そのころはすごいスケジュールだった。よくあるバイトしすぎて学校に行かなくなるパターン。

ではなくて、グレード制でひっかかり、3年のときは、学校に三日間いくだけ、

月曜日から火曜日の朝までバイトして、朝から京都にもどり、水曜日再び同じように・・。かなりのバイト代を稼ぎ、仕送りゼロでやっていた。

バイト開けて下宿にかえると、しんどそうに 逢坂がきた。

「昨日、大変だったですよ、二日酔いですよ、アオキ(大江の友人)が、振られて 鍛治さんの部屋にきたんですよ、そこから鍛治さんが

酒飲んで忘れろ、ということで、中山酒店で一升瓶の安い二級酒かってきて、あてもなくて、おおえと、浅田とアオキが飲まされて

ぼくもよばれて、みんなで飲んでたんですよ」

「そうか、全部飲んだの?」

「酒の強い藤井さんも来て、みんなで飲んでげろげろ、もうはきまくり・・」

「そうか、鍛治さんも強いからな・・」

「一晩中ですよ、しかも夜中に停電になったんですよ」

「真っ暗ななか、飲んでたのか・・暗いな」

「鍛治さんも二日酔いで寝てますよ」

ぼくは、そーっと階段を下りて大学へ向かった。つくづく、あっとホームな下宿であった。

そんなアオキも学校の先生になり、結婚し、子供も三人できて、教頭にまでなったと風の便りで聞いた。

 

 

2025/05/29